スタマイはどこに消えた?
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚「いや~、無事解決してよかったね。めでたし、めでたし」「なんとか終わってホッとしました。今夜はぐっすり眠れそうです」居酒屋からの帰り道、上機嫌の渡部さんに微笑みながら相槌を打つ。長引いていた案件がようやく終わり、マトリメンバーと渡部さんとで飲み会が開かれた。その帰り道も、渡部さんはずっとご機嫌のままだった。
「○○ちゃんの活躍、すごかったね~」「君がいなかったら、今回の事件は解決できなかったんじゃない?」「褒め過ぎですよ、渡部さん。先輩方のご活躍のおかげで解決できたんです」「謙虚な姿も魅力的だね。ほんと、惚れ直すわ」「ふふっ、なに言ってるんですか」お酒が入ったこともあって、渡部さんはいつにもまして饒舌だ。事件が解決して、普段よりも開放的な気持ちになっているのかもしれない。団体の声「おめでとーっ!!!」
「ん?」突然、通りの先から大勢の人の声が聞こえてきた。結婚式の二次会のようで、仲間に囲まれた新郎新婦が笑顔で寄り添っているのが見える。「いいね~、結婚式。幸せいっぱいって感じで、見てるこっちまで幸せになる」渡部さんが満面の笑みを浮かべて大きく頷いた時――
由井「君は運命論を信じるか?」突然、由井さんが私の顔をぐいっと覗き込んできた。「な、何ですか、いきなり?」由井「いいから答えてくれ」「急にそんなこと言われても……」由井「俺は△△と細胞レベルでひかれ合っていると思っている。まさに運命というやつだ」(は、はあ!?)
「はい、そこまで」私と由井さんの間に渡部さんがスッと身体を割り込ませる。
由井「邪魔しないでください。俺は今、△△と大事な話を……」「おーい、関!悪いけど、由井くんのこと頼んでもいいかな?」少し離れたところにいた関さんが、渡部さんに呼ばれて近づいてくる。
関「由井がどうかしたか?」「俺と○○ちゃんが逃避行する間、由井くんを捕まえといてくれ」関「逃避行?」「行こう、○○ちゃん」「え……渡部さん!?」渡部さんにぐいっと腕を掴まれて、夜道を駆け出す。
由井「待て、△△!」関「なるほど、そういうことか。まあ、気をつけろよ」関さんは苦笑しながら頷いて、私たちを追いかけようとした由井さんの腕を素早く掴んだ。由井「関さん、離してください。俺は△△のDNAに用があるんです!!」関「今回の事件は、渡部がいてくれたおかげで解決したようなものだ」関「今夜は好きなようにさせてやろう」 「……ここまで来れば大丈夫かな?」しばらく走った後、渡部さんは立ち止まって後ろを振り向いた。由井さんや関さんはもちろん、他のマトリメンバーも追いかけてくる様子はない。「勝手に来ちゃって、いいんですか?」「気にすることないって。あとはもう自由解散みたいなもんだから」「家まで送ってくよ」「ありがとうございます」人通りの少ない道を、渡部さんと二人でのんびり歩きだす。「ところで、さっきの話だけど……」「○○ちゃんは運命論のこと、どう思ってるの?」「え?」突然、想定外の話を振られて、思わず渡部さんの顔を見上げてしまう。「もしかして渡部さん、そういう話、信じるんですか?」「信じるもなにも、まさに俺たちがそうでしょ」渡部さんは私の肩を抱き寄せると、反対の指先で私の顎をすくい上げた。意味深な瞳で見つめられて、一気に鼓動が速くなる。「○○ちゃんとの出会いは、運命だと思ってる」「君も俺と同じ気持ちだと、嬉しいんだけどな」「私は……」「……ん」返事の途中に、優しいキスで唇を奪われてしまった。徐々に深くなる口づけを受け入れながら、ぼんやりと先ほどの言葉を思い返す。(運命論、か……)(渡部さんが相手なら、信じてもいいかも……) (*´艸`*)一瞬、付き合っているのか、いないのか…どっちなんだろう…?と思った(笑)付き合ってる設定ですよね?運命論…かぁ…この2人は運命でしょ♡