NEXTブレイクはスタマイで決まり!!
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚「ふふっ、いい子いい子~。じゃあ、これはどうだっ!」手に持っていた長い雑草を振り上げると、目の前にいた猫が大ジャンプする。「おおっ、すごい!」「――マトリちゃん、何一人で遊んでんの?」「うわっ!?」真後ろから声をかけられて、飛び跳ねるくらい驚いてしまう。振り返ると、服部さんは玩具を見つけた子供みたいな目で私を見下ろしていた。「あはは……えっと、最近よくここに現れる猫がおりまして」「ほーん?警視庁の裏に猫なんていたんだねえ」意外と動物好きなのか、服部さんは隣にしゃがんでためらわず猫に手を差し伸べる。ところが猫は軽く尻尾を揺らすと、知らん顔で大きなあくびを返した。「どうやら俺とは相性が悪いらしい」「あはは、猫って気まぐれですよね」微笑ましく思った瞬間、猫が目を光らせて鼻先にあった服部さんの手を引っ掻いた。「あっ、大丈夫ですか!?」「は、媚びないねえ。猫らしくていいよ、躾けがいがありそう」「何でそんな嬉しそうなんですか、消毒しないと……!」「マトリちゃんが手当てしてくれるの?たまには怪我もしてみるもんだね」「冗談言ってる場合じゃないですよ、早く行きましょう!」せっつく私を面白そうに眺めて、服部さんはあくまでのんびり腰を上げる。「――……」先に歩き出した私は、後ろで服部さんがうっそり微笑んでいたことに気付いていなかった――。 (あの猫、今日もいるかな?)数日後、お遣いの帰りに警視庁の裏庭を覗いた時のことだった。(――ん? あれは服部さん?)「お座り、待て。はい、お手。うん、よく出来ました」(え!?猫ってあんなこと出来るの!?)「おや、マトリちゃん。これから帰るの?」「あっ、はい。えっ、猫……」驚きしきりの私を見て、服部さんは愉快そうに頬をゆるめながら猫を抱き上げた。「こいつに会いに来たの?思った以上に頭のいい猫だったよ」「すごいですね……猫があんなふうに人の言うこと聞くの初めて見ました」「そんな驚くもんでもないと思うけど。サーカスの虎だって躾けられてるでしょ」「逆にスケールが大きく聞こえるんですが……服部さん、すごい特技ですね」「お前も、本当に賢いんだね」いつも通り撫でようと手を伸ばした瞬間、猫が牙をむいて私を威嚇した。「えっ」「ああ、もう俺以外には懐かないよ。『よそ見禁止』って教え込んだからね」「ええっ!?」「は……マトリちゃん、さっきからずっと目ん玉こぼれ落ちそう」「服部さん、一体この猫に何したんですか……!?」(気まぐれだけど、それなりに人懐こい猫だったのに!)「何って、躾けただけ。そういうもんでしょ?」(躾けって、一体どんな――)「私の密かな癒しが……」「まあ確かに、俺に対して反抗する姿が見られなくなるのは残念だよねえ」(ずれてる!何かズレてる……!)それ以上の深入りはしないほうがいい気がして、私は軽く頭を抱えたのだった。 ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚タイトルを見て甘々ストーリを期待してしまっていました♡が……耀さん ですから!!そうですよね(笑)