あまりにスタマイ的
スタマイ はキッズでキマリっ!
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚「――今朝はかなり振ったな。お前達、風邪は引いてないか?」雨上がりの陽気が爽やかな午後―― お屋敷を訪ねると、桧山さんは庭で花々を愛でていた。(桧山さん、相変わらず普通に植物に話しかけてるなあ)(こういうところ、可愛く見えちゃうのがまた……)「ん……?ああ、来ていたのか」「お邪魔しています。すみません、声をかけるタイミングを逃がしてしまって」「お約束の『情報料』、関さんから預かってきました」「……確かに受け取った」(花を見てる時と全然表情が違う…… 『Revrelのリーダー』の顔だ) 「……?俺の顔に何かついてるか?」「あっ、いえ!」「お花、水やりをしていたんですか?」「いや、逆だ。土の水はけを見ようとしていた。今朝は雨だったからな」ふっと、また瞳に慈愛が滲み出る。 優しい雰囲気に、つられて私も笑みがこぼれた。「なるほど、水をやりすぎてもいけないんですっけ」「これは何ていう花ですか?見たことあるような……すごく綺麗に枝垂れて咲いてますね」「萩だ。秋の七草の一つと言えば解るか?これはミヤギノハギという品種だ」「ああ、秋の七草!」「実際は初夏から咲く花だ。あまり手がかからないから、たまに公園にも植えられている」「そっか、どうりで私にも見覚えがあったわけですね」「萩は万葉集でも多く詠まれている日本古来の花だ。自生する品種も多い」「へえ、知りませんでした!」「桧山さん、やっぱり植物にも詳しいんですね。花言葉とかもご存知なんですか?」「好きだからな。萩の花言葉は色々あるが、よく言われるのが『柔軟な心』と……」ふと、桧山さんが何か思いついたように花を摘み取り、私の髪にそっと挿してくれる。「え……?」「『想い』、という意味もある。……思った通りだ。よく似合う」(わ……) (っ、いやいやいや、これに深い意味なんてない!桧山さん、天然の人だから!)「えっと、勿体ないと言いますかおそれ多いと言いますか、すみません恐縮です!」「……?何故顔を伏せるんだ。可愛いのに」慌てふためく私とは反対に、桧山さんは平然と私のあごを捕らえて上向かせる。花を愛でる時と似たやわらかな視線が注がれ、余計に頬が熱くなった。(――あああ無理、眩しすぎて直視出来ない!)「あの、ありがとうございます!すみません、そろそろ私はおいとましま――、ッ!?」「……!」動揺しすぎて足を滑らせた私の腰に、すぐさま力強い腕が回される。 ぐっと抱き寄せられた次の瞬間、かつてないほど近くに端正な顔が迫った。「っ、危なかったな。すまない、雨が乾ききってないらしい」「いえ、こちらこそ……全てにおいて、本当にすみません……」「……?だから、どうして顔を伏せるんだ。綺麗なのに」(誤魔化しようもなく顔が真っ赤になってると思うからです!) (……なんて言ったら、余計にアレコレ不思議がられそう)(どうあがいても敵わない……)私はただ、意図せず密着した胸から、暴れ狂う鼓動が伝わらないよう祈るしかなかった。 (*´艸`*)天然桧山さん♡♡♡なんだ、この人……可愛い……(*´ω`*)